こんにちは! 中堅助産師のLisaです。
最近、市の子宮がん検診を受けました。職場は避けたかったので、近所の総合病院を選んで受診しました(笑)。わかっていても、内診台に乗ると緊張するものですよね…。待ち時間にふと気になり、受診した病院(産婦人科)の口コミを調べてみたのですが、予想に反してあまり良いスコアではありませんでした。
皆さんは、病院を受診するとき、何を基準に選んでいますか?確かに、実際に利用した方の口コミやレビューは参考になります。特に産婦人科の場合、診察に抵抗がある方もいるでしょうし、痛みや不安があって受診しているのに、嫌な思いをしたくないですよね。しかし、医療機関としての安全性や信頼度は、個人の感想だけでは計れないものがあるのも事実。医療従事者や接客業をされている方は、実際に経験があると思うのですが、口コミの中には「それは本当にそう」と共感できるものもあれば、「これは事実と異なるぞ」と思うものもありますよね?
そこで今回は、産婦人科を選ぶときのポイントを、現役助産師なりに考えてみました!主なポイントは4つ、「病院の規模」「待ち時間」「医師」「看護職」について、考えていきます。
この記事では、初めて産婦人科(市がん検診含む)を受診する方、転院を考えている方を対象としています。妊娠・出産になると話が変わってきますので、妊婦さん向けにパート2を作成中です!もう少々お待ちくださいませ(^^)
総合病院とクリニック、どちらを選ぶ?
「病院」は入院施設として20床以上、「総合病院」になると100床以上のベッドを有しています。複数の診療科があり、充実した医療設備や機器を用いて、高度な医療を提供します。「診療所(クリニック)」は19床以下、または入院施設がない小規模な医療機関です。単科、もしくは2〜3つの診療科のみを設置しています。
総合病院を選択する最大のメリットは、“高度医療”に分類される手術や検査を、一挙に受けられることです。総合病院に引けを取らない治療、例えば腹腔鏡手術を受けられるクリニックもありますが、何より毎日こなしている件数が違います。術前検査から退院まで、充実した医療サービスをスピーディーに受けたいのであれば、総合病院が第一候補になるでしょう。ただし、産婦人科外来・病棟・放射線科・検査室・薬剤科・リハビリ室・医事課など、それぞれが独立しているため、広い院内を渡り歩いたり、待ち時間が長くなるというデメリットがあります。
一方、クリニックを選択するメリットは、「とりあえず受診してみよう」といえる気軽さです。採血など簡易検査を含む定期検診や、有症状でも軽度の場合は、お住まいの地域にいくつかあるクリニックを受診できれば十分だと思います。大切なことは、信頼できる(コミュニケーションがとれる)医師や看護師がいることと、通いやすさです。精密検査や手術などが必要と判断されれば、紹介状をもって専門機関を受診する方が、無駄を省けるのではないでしょうか。
たとえば私の場合、市がん検診の結果に問題はなかったのですが、エコーで小さな子宮筋腫が見つかりました。(子宮筋腫については、いつか記事を作りますね)小さな筋腫なので経過観察、半年毎に受診するようにいわれたのですが、エコー検査のために毎回総合病院を受診するのは大変です。今後は近所の婦人科クリニックで定期検診をして、もしも手術が必要になったら総合病院で受けるつもりです。
予約しても、待ち時間が長いのはなぜ?
病院の規模に関わらず、そして産婦人科に限らず、予約をしていても病院の待ち時間が長い!と感じたことはありませんか?待ち時間の長さには、いくつか理由があるのです。
- 理由その1.予約外の受診が多い
病院は、その日のマンパワー(スタッフの数や力量)や、予定されている手術や処置などを考慮して、予約枠を開放しています。もともと通院されている方や、急を要する症状ではない方は、事前に予約して来院されます。シンプルに、予約外の患者さんが多いため、待ち時間が長くなります。
産婦人科では効率を良くするために、産科と婦人科、産科であれば産前と産後、産前であれば妊娠週数によって、診察室(医師)を分けていることが多いです。
ただし、何かしらの症状って予想外に起こりますよね。妊娠反応が陽性だった、出血した、お腹が痛い、転んでしまった、血圧が高い、つわりで何も食べられない、陣痛が始まったかも、破水した、胎動少ない…etc、産科の場合は簡単に他院を受診することはできないですし、急を要することも多いため、当然予約外の患者さんを優先して診察することも多いのです。
- 理由その2.想定外のことが起こる
理由その1と似ていますが、外来や病棟で急患が生じると、予定外の処置や搬送を必要とすることがあります。そこに人員や器材が動員されるため、外来がストップすることがあります。(分娩が重なる、緊急手術が必要、搬送依頼などが多いです)
- 理由その3.医療事故を防ぐため、約束事が多い
院内には、医療事故を防ぐため、全国共通のルールが数多くあります。簡単にいえば、2人以上のスタッフで確認作業を行い、その都度サインをして、次の作業に移り…を繰り返します。時間はかかりますが、小さなミスが大きな事故に繋がるため、どの部署も欠かすことができません。
最後の最後に、お会計に時間がかかることが多いですよね。診察や処方を終えてから会計開始になるのですが、実施した内容に誤りがないか確認するのが大変のようです。さらに、保険証や補助券の有無などによって、あれやそれやと変わってくるみたいです。医療事務については無知なので、今度受付スタッフに聞いてみますね!
- 理由その4.圧倒的な人手不足
システムを改善するなど試行錯誤していますが、日本の医療業界は、慢性的な人手不足により限界ギリギリなのが実情です。何か一つ想定外のことがあると、途端に現場は回らなくなってしまいます。病棟や外来に限らず、昼食を抜いてでも現場を回そうと働く日もあります。これに関しては、患者さんには関係のない裏事情ですが、物理的に無理なものは無理とご理解ください…。
私も発熱して外来を受診した際、診察を待っている間に熱が上がってしまい、待合室で倒れたことがあります(^^;)私の前後で待っていた方は、さらに待ち時間が延びてしまったでしょうし、まさに悪循環…。
以上、待ち時間について、パッと思いついた理由を4つ挙げてみました。待ち時間は「通いやすさ」に直結する問題です。どのような理由があるにせよ、患者さんをお待たせしてしまうことを、日々申し訳なく思っています。産婦人科の場合、女医がいる曜日、休診日の前後は患者さんが多くなる傾向があります。そこを避けて来院することをお勧めします。(平日の朝イチは比較的空いています)
信頼できる医師とは?
病院の規模や待ち時間とは違い、スタッフの話になると対人関係、コニュニケーションの話になってきますね。ただし、愛想がいい医師が、腕がいい医師とは限りません。個人的には、短時間でも患者さんの状態を把握し、安全で適切な医療を提供できることが最良だと思います。受け取り方は患者さんによって様々ですし、サービス精神の有無などは好みの話になってきますね。
「状態や処置について説明してくれるか」「質問に対して満足な回答が得られるか」「患者に選択肢を示してくれるか」「ホームページ等で実績を開示しているか」「看護師や助産師に横柄な態度をとっていないか」、このあたりがクリアされれば、たとえ言動がぶっきらぼうでも信頼できるのではないでしょうか。ここだけの話、お医者さんって変わってる人も多いです(笑)。相性が悪いなと思ったら、他の医師や病院を選択してもいいのかもしれません。
助産師や看護師の印象は?
院内で、患者さんと一番身近に関わるのは助産師や看護師です。皆さんの待ち時間を1分でも短縮するため、かつ安全に業務を遂行できるように、忙しそうに動き回っているかもしれません。バタバタしていても、最低限の接遇マナーはできて当然として話を進めます。
看護職に共通していえるのは、「患者の権利や個別性を尊重しているか」「平等であるか」…なんて難しいことは置いときまして。「患者さんの話をよく聞いて(または観察して)くれるか」「お待たせするときに一言あるか」「医師と患者さんの橋渡し役ができているか」、特に外来ではこのへんが注目ポイントになるでしょうか。
正直、この項目はとても難しいです。私自身、患者さんからどういう評価を受けているか不安です(笑)今度改めて、一般的に求められている助産師像について、考察してみたいと思います。
まとめ
以上、病院の口コミに多いワードを拾い、注目すべきポイントをご紹介しました。思いつくかぎり書いていたら、病院に勤めていて感じる不満みたいになってしまったような…?(笑)
生活圏に信頼できる病院があることは、とても大切なことです。本来病院というのは、その規模や機能によって役割が違います。「自宅から近い」「評判が良いから」だけではなく、症状に合わせて病院とクリニックを使い分けていきましょう。実際に受診するときには、通いやすさや信頼できるスタッフの有無をチェックしてみてくださいね。
当ブログでは、皆さんからのご意見・ご感想、テーマを随時募集しております。ブログ内にコメント欄を設置していないため、TwitterのリプライやDMからお送りください。
4月半ばになりますが、なかなか気温が上がらない日が続いていますね。皆さん体調にお気をつけて、また次回の更新でお会いしましょう〜\(^^)/
コメント